宮本浩次

俺が生まれたのは、そう、所謂高度経済成長の真っ只中で、それは日本が敗戦に象徴される黒船以降の欧米に対する鬱屈したコンプレックスを一気に解消すべく、我々の上の世代の人間が神風のように猛然と追い続けた、繁栄という名の、そう繁栄という名の 繁栄という名のテーマであった。嗚呼そして我々が受け継いだのは豊かさとどっちらけだ。あげくがお前、人の良さそうな変な奴がのせられて偉くなっちゃって、それでもそこそこ俺達は生活してんだから訳わかんねえよなあ。おい、化けの皮剥ぎにでかけようぜ。化けの皮を剥がしにでかけようぜ。くだらねえ世の中、くだらねえ俺達。そんなのお前百年前から誰でも言ってるよ。お前変わんねえんだよ、それ、お前縄文時代から変わんねえんだよお前それ、それ縄文時代から現代まで変わってねえんだよお前それは … ただなあ、破壊されんだよ駄目な物は全部。この世の中にはそりゃあ思い通りにならないことは、いくらもあるってことはお前さすがの俺も百も承知だけどなあお前。しかし、俺は折角のロックンロールバンドだ。あいつらの化けの皮を剥がしにいくってことをなあ、さっき、自問自答の末、結論した。